[architect] House in Tamba 3つの風景が交らう平屋

[architect] House in Tamba 3つの風景が交らう平屋

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立地は兵庫県の丹波市。天然記念物の巨大な杉と、川が流れる長閑な田園風景の山内に位置する。子どもが生まれ家族が増え、先代から受け継いだ土地に根付いた暮らしを送りたいとご相談を受けた。郊外の住宅設計の特徴として、建築家の多くは“美しい景色を室内へいかに切り取るか”の「借景」をメインに考えがちで、今回も計画当初はそう考えていた。しかし、仕事で海外を飛び回る施主にとって、この周辺の風景を眺める暮らしは単調に感じるご経験がおありであること、かつ、プライオリティーが高い要素として「プライバシーの確保」のご要望があった。豊かな自然環境の良さを生かしつつ都会にいるような、住み手の世界観に入り込める、洗練されて快適な暮らしを送りたい。その他にヒアリングで出てきた重要視する項目を順に並べると、「室温の快適性」「広く開放的なリビング」「各場所の広さ」「収納力」「プライバシー確保」の5つになった。

都会とは違う余裕のある敷地で、借景の考えは取り入れず、むしろ外から居住空間が見えない様にプライバシーを確保する。周辺景観へ配慮して、外観は軽やかな質実剛健を意識し凛としている。出てきたデザインのイメージキーワードは、一見相反する言葉が並ぶ「かわいさとかっこよさが共存するような家」だった。これはアルボルが手掛けた『西松ヶ丘の家』の外観、<一面ガリバリウムの白い外壁、浮き出す窓の三角形、シンプルな家のフォルムにアクセントの造形的なデザイン。無機質な素材と形状にそっと温かみを添える木製ドアや植栽>が気に入ってのことだ。普通よりちょっと良い。シンプルだけれど決して単調ではない。さりげなくこだわり、でしゃばらない。その様なバランスの中に見出す家族の理想の暮らし方。家の内と外、オンとオフのメリハリ、長閑な田園風景と住み手のスタイルに寄り添う洗練された生活空間。それぞれを行き来し循環する暮らしにはどの様な景色が見えてくるのか。それらを考え、設計にあたり、次の3つの「風景」をイメージコンセプトとした。

[1.都会的な暮らし]

外の視界的ノイズのない住み手のスタイルが引き立つ暮らし。機能性と合理性を兼ね備え、ミニマルだけれど単調ではない洗練された生活風景。

[2.長閑な田園風景]

玄関を一歩踏み出すと広がるリアルな自然。目先に田畑、昔ながらの豊かな里地里山の風景。

[3.中庭に造る雑木林]

かつて日本の祖先は中庭に宇宙を創造したと言う。近くて遠い大自然を切り取るように、中庭には、自然の力で育ち流転する山の中の雑木林の風景。

以上の3つの風景を行き交い、文化的な暮らしと自然がシームレスに繋がっていく。

【設計ポイント】

スノーボードやキャンプなどアウトドアが趣味の家族にとって、収納は大切な項目のひとつだが、収納を多く取る分、生活空間に影響がでてしまう。そこで、リビングダイニング(以下LD)の面積を実際より広く感じさせるため、廊下とデッキもひっくるめてひとつのビッグワンルームとして見せる計画をした。廊下からゲストルーム方向を対角位置で見通すと廊下(1.6帖)とリビング(14.2帖)と窓ガラス越しのデッキ(6.6帖)、庭(10.6帖)、奥のゲストルーム(4.5帖)とエントランス(5.5帖)も一連としたひとつの空間(合計43.5帖)に見え、実際のLDの約3倍の床面積に感じられる。家族が集まり過ごす毎日に、心地良さと庭の景色が自然に溶け込む空間である。また、LDの奥、プライベートゾーンにつながる子供室の扉の位置を、LDの壁のラインに揃え、より視覚的に広く感じるようにした。こうして生まれた壁面の余白をカンヴァスに見立てると、前を動く人、暮らしの風景が絵になり浮かび上がってくる。

寝室は朝日を取り込みやすい東に配置。エントランスを入った横にあるゲストルームは、家族と程よい距離感にある。駐車スペースは2台分。玄関とは別に、勝手口は駐車スペースに面してキッチンパントリーと直結している。例えば家族で釣りに出掛ける時、玄関収納から釣具とベビーカーを、パントリー直結の勝手口からお弁当を持ち出すという様に、家族それぞれのシーン、用途でスムーズにアクセスできる。

廊下は間仕切りを設けずLDの延長と捉えることで広くなる。デッキの窓は垂れ壁がなく、床から天井まで一面ガラス張りで家の内と外とが一体化して見える。窓の上からは有機的な風が吹く。長めにとった庇は夏の日差しは遮り、冬は奥まで陽が届く。庭側のダイニングチェアは、いつでも気軽に庭の景色を眺められるよう、背もたれなしのスツールにした。

【構造計画】
接合部を強くし、柱・梁だけで水平力に耐えられるフレームを形成、従来の木造建築では難しかった梁を飛ばすことでリビングの大開口を可能とした。大開口は梁の垂直荷重を間柱で補助し、地震時の動きに対してガラスに影響がない様に層間変形角を抑えている。

【温熱環境・快適性】

「建物も人も呼吸をしている。」「建物も人もいつまでも健康でいてほしい。」

壁や天井は調湿効果を高め素材感を楽しめる、自然素材由来の左官風仕上げとした。換気設備は「第2種換気」※1を採用。外気の不純物を除去するフィルターで濾過したクリーンな空気を室内へ送り込み、住まいの隅々まで空気の循環を生むことで、部分的に溜まりやすい湿気や結露も防ぐ。また、断熱材は一般的なボードタイプよりも気密性が高く、透湿性に優れた木造用の吹き付けタイプを使用し、サッシは複層ガラスで断熱性を高めた。

自然素材の家は建物の引き渡しの時点では完成したとは言い切れない。年月で移ろうため、向き合いながら手を入れ、味わいを深めていく。それは木や人が年齢を重ねるのに似ている。

※1「第2種換気」...外の空気を強制的に機械で中に送り込む換気方法。

【造園計画】

丹波の原風景ともいえる里地里山の雑木林の景観をお手本に、木漏れ日に包まれる空間を植栽で描いた。プライベートな中庭のデッキに腰掛けながら花の香りや潤い豊かな苔・シダ、大地と繋がる石、木々の揺らぎや爽やかな風、四季を通して変化する庭の表情を日々の暮らしの楽しみの一つにしていただきたく計画した。

【照明計画】

夜でも室内と庭が一体となる景色を目指した。ダウンライトは、器具の存在感と眩しさを極限まで排除した、グレアレスタイプを採用。器具の発光を抑える事で、窓ガラスへの余計な映り込みが発生しない。視界が良好となった窓の先には、庭の情景がひろがる。月明かりを模したスポットライトによる照明手法で、木立ちを照らし夜の闇のなかに葉を浮かび上がらせる。


住み手の感性・スタイルのこだわりは、豊かな里地里山に暮らし、庭に切り取った雑木林の大自然をプライベートに楽しむという、環境共生を主題とした日本の建築本来の土と木、そして草や紙などで構成されバランスの取れた豊かさと、外の視界的ノイズの少ない文化的な暮らしの風景を融合させた。それぞれが循環する理想の暮らしのスタイルを、家族の成長と共にこの家で育くむことを願っている。

〈概要〉

クライアント|夫婦+子ども2人

延床面積|137.81㎡

建築面積|152.17㎡

1階床面積|137.81㎡(住居107.56㎡ 車庫30.25㎡)

所在地|兵庫県丹波市

用途地域|22条区域

構造|木造

仕上|外部 外壁:大波ガルバリウム鋼板貼り

内部 床:無垢フローリング貼

壁:マーブルフィール塗装仕上

天井:マーブルフィール塗装仕上

設計期間|2019年3月~2021年1月

工事期間|2021年2月~2021年11月

基本設計・現場監理|arbol 堤 庸策

実施設計| arbol 堤 庸策 + はすいけ 蓮池 亜紀

施工|株式会社春日工務店 荻野 斗・志貴

外構|荻野景観設計株式会社 荻野 寿也

照明|大光電機株式会社 花井 架津彦

家具協力|raum

撮影| 下村康典

テキストライティング|memes design 堂後 美香

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今回arbolの初の試みで、実際に今回のプロジェクトに初協力いただいた工務店さんより現場での作り手のお話をオンライン対談という形で伺いました。

–ものつくりのうまれかた – vol.1

「コロナ禍フルリモートの家づくりと、arbolがこだわるバランス感覚」

施工者(現場監督)/ 株式会社 春日工務店 荻野 斗志貴
建築家 / arbol 堤 庸策
インタビューワー / memes design 堂後 美香

「つくる」という言葉には、手先を動かして造る・創る(make/create)、思考を働かせ想像する(imagine)の意味が存在します。

コロナ禍の最中だった「丹波の家」プロジェクトは、ミーティングから現場監理まで完全にオンラインのみのやりとりで、また、今回担当した春日工務店さんは、建築家の方との仕事も初めてだったため、大変試行錯誤した場面があったと伺いました。

「オンラインで現場監理はどうやるの?」という素朴な疑問と、春日工務店設計者の荻野さんが、ある日を境に急に仕事っぷりが変化し、そこから一直線にゴールへ進んでいった話をお伺いし、「荻野さんの中で何が起きたのか聞いてみたい」という興味からこのインタビューの機会をいただきました。

状況に応じて関係性やしくみを「つくる」こと。それぞれの背景を持つ人たちが目的や理念を共有し、知恵を出し合い、より良いものづくりを目指すこと。「ものをつくる」とひとことで言っても、そこには物体として存在する具象的な「物」意外の、相手を想ったり、共感のような、人と人との繋がりや環境の中で何かが「うまれる」瞬間が存在するのだとインタビューを通じて感じます。

そのような意味合いを込めて、タイトルを「ものつくりのうまれかた」といたしました。

Q)堂後:建築家の方とお仕事をするのは初めてとのことですが、不安はなかったですか?

A)荻野:堤さんはライフスタイルも含めてバランス感覚が優れていると感じます。そこに惹かれるものがあり、是非やってみようと思いました。家は使い勝手と快適さが大切。デザイン重視になると使いにくい、住みにくいという考えが一般的に根強くあります。アルボルは機能・性能を重視しつつ、デザインも妥協せず、両方の利点を全面に押し出しながらバランス良く存在している。その感覚に感銘を受けました。

Q)堂後:今回一緒にやることになった経緯は、施主さんと同級生だったからと伺いました。「関係性の質」が良いと「成果の質」も上がると言います。なので、昔から知っている存在はとても強いなと感じるのですが、普段から接点があったのでしょうか?

A)荻野:あまり連絡は取っていなかったがお互い同じ地元で、ものづくりの家業の後継者として頑張っている、常に意識をしている存在でした。家という大きな買い物、友達の家を任せてもらっているという思い入れの反面、プレッシャーもありました。家を建てるのは時間がかかるもの。ステップごとに取り組んでいる実感や、堤さんが設計に込めた想いもわかってきました。現場サイドの職人さんも含め、周りの皆さんの支えあって、こうやって形にすることができたと感じます。

Q)堂後:コロナ禍で直接会うことができず、ミーティングはオンラインのみ、現場管理も含めフルリモートで行うという初の試みでしたが、今までの対面と違って難しかった点はありましたか?

A)荻野:オンラインだと画面に向き合い、共有した施工図を見ながら話すので、オンラインだからこそしっかり詳細に話せたと感じます。コロナ禍以前を考えると、現場に行って、皆が忙しく作業をしている中、顔を合わせたことに満足して、中身のある話が何もできていないと後から気づくこともよくありました。現場の管理監督も施工図にフォーカスし、写真で報告というやりとりをしていました。

Q)堂後:他に難しかった点はありますか?

A)荻野:図面に描いてない設計者である堤さんの想いを、100パーセント現場サイドで落とし込みつくり上げていくことです。堤さんがどう考え、堤さんならどうするか。つまりは彼がどういった人間なのかをコミュニケーションを重ね、知り、理解していくことです。例えば、壁一枚、断熱材ひとつ取っても、30mmや100mmなど厚みの種類があり、一般的に薄いものより厚いものの方が断熱効果がありますが、性能の違いで薄くても断熱効果が高いものもあります。こういった中身、構造、材料の違いで仕上げにどう影響するかを考え、答えを導き出す作業を重ねました。

堤:例えば可動する建具があり、入隅の部分には壁や板、サッシ枠、見切り材など材料が数種類に及ぶ箇所があります。そこをいかに納まり良くシンプルに仕上げるかを考えるのですが、職人さんに「こういうものをつくりたいが出来ますか?」と問いかけると、ベテランの方は勘と経験で何事もなくさらりと仕上げてくれます。対照的に、初めての工務店さんはじっくりと向き合って、こちらの意図を丁寧に汲み取って仕上げてくださり、普段意識しない価値を再認識することができました。

Q)堂後:家をつくっていく上で、どういうものを目指しているか、どうやってコミュニケーションを重ね、共有しましたか?

A)荻野:目指すものに対して、はなから無理かもしれないと決めつけず、摺り合わせて良いものをつくろう、お互いに「感覚で相違があったら教えてください」という姿勢で打ち合わせを重ねました。流れとしてはarbolサイドが基本設計・実施設計を行い、春日工務店で施工図、最終的に現場作業という流れを任せていただきましたが、「こういきます」と施工図を描いて一度でOKということはまずなく、より良くする余地のある部分に対してお互い知恵を絞りゴールを目指していく。そうしたキャッチボールを重ねる中で、デザインの原理、原則が浮かび上がってきて、言わんとすることがわかるようになりました。それは構造、壁、屋根、窓などの仕上げに共通して見られる考え方で、「こっちの素材とこっちの素材の線を揃える」、言い換えると「シンプルに引き算」するという事だと思います。

堤:施工最終の段階で信頼関係もでき、「あそこどうしたらいいかな」と考えつつほぼお任せをした部分があったのですが、想像以上の仕上がりで「こうなるか」と唸るほど、見事にキレイに納めてくださっていて感動しました。


Q)堂後:今回一番興味を持ったことなのですが、直接やりとりをしていないarbolサイドの人間も感じ取れるほど、急に荻野さんの意識が提案型に変化したタイミングがあったと伺いました。私の経験に重ねると、最初は分からなさゆえの前に進み難い部分があるのは必然で、それを乗り越える試行錯誤、気付きのようなものがあると思うのですが、荻野さんに何が起こったのでしょうか?。

A)荻野:工程が決まって現場が動き出し、地鎮祭で実感が湧き火が付きました。全部で約20社の業者の方とやりとりをしているのですが、それぞれから「図面上はこうなっているけど、実際どうするの?」と問われます。友達の家を任せてもらっていて、仕上がりが私の指揮にかかっているのだという大きな責任に改めて気づいた瞬間でした。最終仕上げの詳細設計にあたり、今まで堤さんとやりとりを重ねていた進め方ですが、自ずと家のためを想うとどういう構造が良いかを考えるようになりました。「シンプルに引き算をする」デザインの原理、原則もわかり、「私ならこうする、そして彼ならこうする」という両者の視点を自身の中でまとめあげる様になりました。そうして出来た図面を「こういうのはどうですか」と堤さんにご提案させていただきました。

Q)堂後:丹波の家のプロジェクトを通して得られたものは何ですか?

A)荻野:バランス感覚の視点です。建物、住む場所もそうですが、衣食住、つまりライフスタイル全体を見返すと、堤さんのようにこだわってバランス感覚を養うことが、スタイルが良い仕事につながっているのだと感じます。

堤:バランスがこだわり。バランスが取れていること、取っていることを意識しています。どこが限界値か、問題が生じるギリギリを常に考えています。創造者としてギリギリ以上を狙いたい。攻めたからこそ生まれる良い塩梅があります。 そうした中でベストをつくり、配慮を取り入れていきます。一方、良いアイデアだけど今はNGが出そうというものは時間の猶予をもらい、視野を広げてくださいと言います。

荻野:私も時間をかけて堤さんの考えを養ってもらったという感覚です。

堤:あくまでもバランスです。施主さん、施工者さん、作り手さん、職人さん、それぞれがいて、それぞれの視点に合わせながら、一緒に目指すところへ持ち上げていく。同じ図面でもこの工務店さんはこうなる、この工務店さんはこうなるという違いがある。それを理解した上での押し方、引き方、力加減のバランスを取るように意識しています。

堂後:「バランス」がキーワードですね。最初に荻野さんが「堤さんのバランス感覚に惹かれた」とおっしゃられていましたが、その正体が少し見えたように思います。機能・性能、デザインのどちらかに偏りすぎない両者を活かすバランス。創造者として攻めながら、配慮も踏まえ導き出すベストのバランス。様々な背景を持つ人たちがいて、個々のアプローチに対しての差し引きのバランス。そのバランス感覚で成り立つarbolの仕事、しなやかな筋肉のような感覚を、普段の生活から自身のスタイルとして意識してこだわり、身につけられている。それが荻野さんが惹かれた部分ですね。貴重なお話を聞かせていただきました。ありがとうございました。

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House in Tamba

The house is located in Tamba City, Hyogo Prefecture, surrounded by the natural monument of mountains, huge Cedar trees and peaceful rural landscape where a river flows through. The consultation was triggered by an increase in the client’s family size and based on the premise of living a life rooted in the land inherited from the previous generation. As for characteristics of suburban housing design, many architects tend to think about “borrowed scenery” or “how to cut out beautiful scenery within a room”, I also thought this at the beginning of the design process. However, for the client that travels overseas for work, life looking at the surrounding landscape has led to the experience feeling monotonous, and the request for “ensuring privacy” was made a high priority. The goal is to achieve living a refined and comfortable life that can be integrated into the world view of the residents as if they were living in a city while taking advantage of the rich natural environment. Key items were produced through the meetings, listed in hierarchical order - there were five in total: “comfort at room temperature”, “wide and open living room”, “size of each space”, “storage capacity” and “privacy assurance”.

Unlike urban areas, the site has plenty of space; the idea of borrowed landscapes is not adopted, but rather, privacy is ensured so that the living spaces cannot be seen from the outside. Considering the surrounding landscape, the exterior of the house is dignified with a light, simple and sturdy appearance. The defining phrase of the design’s impression was “a house where cuteness and coolness coexist” where at first glance contradictory ideas were aligned. This is the appearance of “Nishimatsugaoka House” which Arbol worked on, the one-sided white Galvalume exterior walls, the triangular window that stands out, and the sculptural design that accents the simple form of the house. The wooden doors and plants that add warmth to the inorganic shapes are attractive aesthetics. A little better than normal. It’s simple, but never monotonous. Prudent, but not obtrusive. The ideal way of life of a family is found in such a balance. A sophisticated living space that fits with the interior and exterior of the house, the contrast between on and off, the quiet rural landscape and the style of the resident; what kind of scenery can be seen in a life that goes back and forth between each of them? With this in mind, the following three “landscapes” were used as impression concepts in the design.

  1. Urban Life

A lifestyle that emphasizes the style of the resident without external visual noise.

A refined life landscape that combines functionality and rationality, being minimal yet not monotonous.

  1. Quiet Countryside

Real nature right outside the entrance.

The scenery of the fields and the rich old-fashioned Satochi Satoyama is just around the corner.

  1. Woods in the Courtyard

It is said that Japanese ancestors once created the universe in the courtyard. In the courtyard, one can see the scenery of the woods, echoing those in the mountains that grow and flow through the power of nature, just like cutting out close and distant nature.

By combining these three landscapes, cultural life and nature are seamlessly connected.

Design Point

Storage is one of the important items for a family that enjoys outdoor activities such as snowboarding and camping. However, the more space dedicated to storage, the more it affects their living space. Therefore, in order to make the living-dining room (hereinafter referred to as LD) feel wider than it actually is, we planned to combine the hallway and deck to make it look like one big room. When diagonally seen from the corridor towards the guest room, the corridor (2.6 sq.m.), living room (22.0 sq.m.), deck through the window (11.0 sq.m.), garden (16.5 sq..), guest room at the back (7.0 sq.m.) and the entrance (7.6 sq.m.) look like a series of spaces (66.7sq.metre in total), and it feels like the floor area is about three times bigger than the actual LD.

The corridor is widened by utilizing it as an extension of the LD without a partition. The windows on the deck have no hanging walls, and the glass extends from the floor to the ceiling so that the inside and outside can be seen as one. A natural wind passes from the top of the window. The long eaves block sunlight in the summer, while the sun reaches the depths of the spaces in winter. The dining chair to the side of the garden is a backless stool so that the view of the garden can be easily enjoyed at any time. This provides a space where comfort and the view of the garden naturally blend into the daily life of the family where they gather and spend time together. In addition, the position of the door to the children’s room connected to the private zone to the back of the LD has been aligned with the line of the LD wall to make it appear visually more wider. When the space on the wall created by this method is likened to a blank canvas, the people moving in the foreground and the scenery of life become a picture.

Bedrooms are in the East of the building, easily capturing the morning sun. The guest room next to the entrance is a good distance from the family. Parking space for two cars is provided. Apart from the primary entrance, another entrance faces the parking spaces and is directly connected to the kitchen pantry. For example, when the family goes fishing, the fishing tackle and stroller are easily accessed from the primary entrance and a lunch box from the pantry’s door, depending on the needs of each family.

Construction

By strengthening the joints and forming a frame that can withstand horizontal forces using only columns and beams, the large opening of the living room was made possible with the omission of beams, which was difficult with conventional wooden construction. The large opening supports the vertical load of the beams with studs and supresses the interlayer deformation angle so that the glass is not affected by the movement during an earthquake.

Thermal environment and comfort

“Buildings and people are breathing”, “I want buildings and people to be healthy forever”.

The walls and ceiling have been finished with a plasterer-style finish derived from natural materials, enhancing the control effect and allowing the user to enjoy the texture of the material. The ventilation system adopted is “Type2 ventilation” *1. Clean air is filtered by a filter that removes impurities from the outside air and passes into the rooms, providing air circulation to ever corner to the house, helping to preventing moisture and condensation that tend to accumulate. In addition, the insulation utilizes a spray type for wooden construction, which is more airtight than a general board type and is superior in moisture permeability, is used; and the sash is also made of double glazing which improves heat insulation.

A house made of natural materials cannot be defined as completed at the time of delivery, as it will change over the years and the taste is deepened through use and time. It is like trees and people getting older together.

*1 “Second type ventilation” – Ventilation method that forcibly moves outside air inside using a machine.

Landscaping / Lighting Plan

Taking the landscape of the thickets and Satochi Satoyama, which can be defined as the original landscape of Tamba, as a model, a space was created that was wrapped in sunlight shining through the planted trees. While sitting on the deck of the private courtyard, one can enjoy the scent of flowers, the rich moss and ferns, the stones connected to the ground, the fluctuation of the trees, the refreshing breeze and the expression of the garden that changes throughout the four seasons, all as pleasures of everyday life.

The lighting design aimed to create a landscape where the interior and garden became one, even at night. The downlight adopts a glare-less type that eliminates the presence of glare of the fixture to the utmost limit. By suppressing the light emission of the fixture, unnecessary reflection on the window glass does not occur. This allows the view of the garden to spread out beyond the window with good visibility. A spotlight lighting technique that imitates the moonlight illuminates the trees and makes the leaves stand out in the darkness of night.

The sensibilities and style of the residents combine the rich and balanced nature of Japanese architecture, which is characterized by theme the coexistence with the environment, such as soil and trees, grass and the woods, with refined materials and the context cultural living with little outside visual noise. It is intended that each resident will develop an ideal lifestyle that will circulate in this house along with the growth of the family.

Overview

Total floor area | 137.81m²

Building area | 152.17m²

1st floor area | 137.81m²

(Dwelling 107.56m² Garage 30.25m²)

Client | Couple + 2 children

Location | Tamba City, Hyogo Prefecture

Application area | Article 22 area

Structure | Wooden

Finish | Exterior wall: Large wave Galvalume steel plate

Interior floor: Solid flooring

Walls: Marble effect painted finish

Ceiling: Marble effect paint finish

Design period | March 2019 – January 2021

Construction period | February 2021 – November 2021

Basic design / site supervision | Implementation design | Arbol Design | Arbol Yousaku Tsutsumi + Aki Hasuike

Construction | Kasuga Koumuten Co., Ltd. Toshiki Ogino

Exterior | Ogino Landscape Design Co., Ltd. Toshiya Ogino

Lighting | Daiko Electric Co., Ltd. Hanai Katsuhiko

Furniture cooperation | raum

Photo | Yasunori Shimomura

Text writing | memes design Mika Dogo

English translation | Milo Taylor

As a first for Arbol, we have held a conversation with the parties involved in the design about their story and have presented it in the form of an online conversation.

How things are made – vol.1

“Corona disaster, full remote house building and Arbol’s sense of balance”

Kasuga Construction Office, Ogino Toshiki / Builder (Site Supervisor)

Arbol Yousaku Tsutsumi / Architect

Interviewer / Memes design Mika Dogo

The word “tsukuru” has the meaning of “make / create” by moving your hands and “imagine” by using your thoughts.

The Tamba House project, which was produced in the midst of the Corona disaster, was a completely online exchange from meetings to site supervision. Also, it was the first time, Kasuga Komuten, who was in charge of this project, was working with the architect, so I heard there was a scene for great trial and error.

The simple question “how do you do online site supervision?” caused Mr. Ogino, the designer of Kasua Construction co., to suddenly change the way in which he worked in order to address it. After hearing the story, I was given the opportunity to do this interview because of my interest in “I want to ask what happened to Mr. Ogino”.

To “create” relationships and mechanisms according to the situation; people with different backgrounds share their goals and philosophies, share their wisdom and aim for better outputs. If you say “make things” in one work, what is the connection between people and the environment? Such as thinking about another person or feeling empathy, other than the concrete “things” that exist as objects. Through the interview, I feel that there is a moment when something is “born” in respect to this philosophy.

With that meaning in mind the title was “How to make things”

Q) Dogo: This is your first time working with an architect. Did you have any concerns?

A) Ogino: I feel that Mr. Tsutsumi has an excellent sense of balance including within his lifestyle. There was something that attracted me to it, so I decided to give it a try. Usability and comfort are important for a house. When emphasis is placed on design the idea that it is difficult to use or to live in is generally still strong. While emphasizing functionality and performance Arbol does not compromise on design and it exists in a well-balanced manner while pushing the advantages of both. I was impressed with that feeling.

Q) Dogo: I heard that the reason why you decided to work together this time was because you were classmates with the owner. It is said that if the “quality of relationships” is good, the “quality of results” will also increase. So, I feel that fact that you have known them for a long time is strong, but did you have much contact?

A) Ogino: I didn’t get in touch with them very much, but we were always conscious of each other, while I’m hard as a successor to the family business of manufacturing in the same local area. I had a feeling that I was going to be able to take care of my friend’s house, but it also came with some pressure. It takes time to build a house. I have come to understand the real feeling that Mr. Tsutsumi has worked on step by step and the thought he has put into the design. Thanks to the support of the people around me including the craftsmen at the site, I feel that I was able to execute the vision.

Q) Dogo: you couldn’t meet in person due to Corona, and it was your first attempt to hold an online only meeting, including on-site management; was there any difficulty in contrast to previous face-to-face meetings?

A) Ogino: When I’m online, I face the screen and talk while looking at shared construction drawings, so I feel that I was able to talk in detail because it was online. When I thought about the pre-pandemic, I often went to the site and while everyone is busy working, I’m happy to meet face-to-face but later realize that I haven’t been able to talk about the content. Now, the site management and supervision focused a lot on construction drawings and exchanged reports through photographs.

Q) Dogo: Is there anything else that was difficult?

A) Ogino: The idea is to create 100% of the thoughts of Mr. Tsutsumi, who is a designer who has provided drawings but is not on the site. What does he think and what does he do? In other words, it is about communicating, knowing, and understanding what kind of person he is. For example, even if you take one wall or one heat insulating material, there are various thickness types such as 30mm and 100mm. Generally, thicker ones have better heat insulating effects than thin ones, but there are some thin ones with higher insulation effects depending on their performance. I thought how these differences in content, structure and materials would affect the finished product and worked to derive the answers.

Tsutsumi: * For example, there are movable fittings, and if there are several kinds of materials such has walls, boards, sash frames and parting materials in the corner; I think about how to finish it well and elegantly, but when I ask the craftsman “Can you make something like this?”, the experienced person will finish everything smoothy based on intuition and experience. In contrast, the first-time contractor as able to take a closer look, carefully understanding the intention and recognize the values that were not usually noticed.

*(Delete from 3D printer)

Q) Dogo: When building the house, what kind of things are you aiming for, and how did you communicate and share them?

A) Ogino: We didn’t decide that it might be impossible for us to do what were aiming for, instead we tried to take good things and match them up, and we talked to each other with the attitude of “please tell me if there is a difference in understanding”. As for the flow, the Arbol side carried out the basic design and implementation design, and Kasuga Komuten were entrusted with the flow of construction drawing and finally onsite work. We do not draw a construction drawing and say “this is it” at once as it is unlikely to be perfect, instead we aim for the goal by focusing on each other’s wisdom for the parts that have room for improvement. By going back and forth, exchanging knowledge, the principles of the design emerged, and I came to understand what I wanted to say. It is a common way of thinking when finishing structures, walls, roofs, windows, etc., and I think it means “aligning the lines of this material with this material”, in other words, “simple subtraction”.

Tsutsumi: At the final stage of construction, I was able to have a relationship of trust - there was a part where I was thinking about “what should I do there?”, but I was impressed that the finished product was above my expectation and was beautifully implemented.

Q) Dogo: I was most interested in this time; I heard there was a time when Mr. Ogino’s mindset suddenly changed to proposing ideas, and even people on the Arbol side who did not communicate directly with him also felt it. In my experience, it is inevitable that there is a part of a project that is difficult to move forward due to misunderstandings and I think that it takes something like trial and error and awareness to overcome it, but what happened to Mr. Ogino? What was it?

A) Ogino: The process was decided and the project began to move forward, and at the Jichinsai, I felt a sense of fire. In total, I communicated with about 20 suppliers, and each person asked, “this is what the drawing looks like, but what are you actually doing?”. It was the moment I was entrusted with my friend’s house where I realized the great responsibility and that the finished product was depending on my commands. In designing the details of the final finish, I had been interacting with Mr. Tsutsumi until now, but naturally I came to think about what kind of structure would be good for the house. I also understood the principles of “simple subtraction” design and I summarized the viewpoints of both “I do this, and he does this” within myself. I proposed the drawing to Mr. Tsutsumi, “How about this”.

Q) Dogo: What did you gain from the Tamba house project?

A) Ogino: It is a sense of balance. It is the same with buildings and the places we live. Reflecting on food, clothing and housing, that is, a lifestyle as a whole, I feel like sticking to a sense of balance like Mr. Tsutsumi leads to a good work style.

Tsutsumi: The balance is very important. I am conscious of the balance. I am always thinking about where the limit of value is, and the time when a problem would occur. As a creator, I want to aim for more than the limit. There is a good salt plum that is bord because it was attacked. Under such circumstances, we will create the best thing and incorporate it with consideration. On the other hand, he says that although it is a good idea, if you are going to get a bad idea now, please give me time to broaden your perspective.

Ogino: I also felt that I was given time to develop Mr. Tsutsumi’s ideas.

Tsutsumi: It is a balance. The client, builder, makers and craftsman, we all work together to reach the same target while each have their own viewpoint. Even with the same drawing, there is a difference between how each interprets it. After understanding that, I am conscious of balancing the way I push, pull and use force.

Dogo: “Balance” is the keyword. At first Mr. Ogino said, “I was attracted to Mr. Tsutsumi’s sense of balance”, I think I was able to see a little of his true identity. Balance that makes use of functions, performance and designed that are not too biased. The best balance is to attack as a creator but also to draw out with consideration. There are people with different backgrounds, and the balance of deficits against individual approaches. The work of Arbol, which is made up of this sense of balance, and the sense of a supple life, are consciously acquired as his own style in everyday life. That is the part that Mr. Ogino was attracted to. This is a valuable story. Thank you very much.

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