本体・付帯工事

注文住宅の建築費用で大切なのは見積もりではなく「最終的に支払う価格」とのバランス

注文住宅を建てることを考えているなら、まずは見積もりを依頼するところからスタートします。しかし、どの施工会社に依頼するのがよいのかは、見積もり総額だけでは判断することができません。なぜなら、見積もりと実際のコストが大きく変わることがあるためです。ここでは、注文住宅の建築にかかる費用、そしてどのように施工会社を選べばいいかについて詳しく解説します。表層的な金額に惑わされないで、堅実に施工会社を選びましょう。

1 注文住宅建築にかかる費用

注文住宅を建てるときにかかるのは、本体工事費だけではありません。本体工事費とは別に、外溝工事などの付帯工事費、不動産登記などの諸経費がかかります。一般的に、これらの諸費用は全体費用の2~3割を占めます。ハウスメーカーの見積もりや坪単価は本体工事費のみであるケースが多いため、注意が必要です。また、どこまでを初回の見積もりに含めるかどうかは、施工会社によってさまざまです。そのため、単純に見積もり総額だけで判断してはいけないのです。

施工会社を選ぶ際には、知名度や初回の見積もり金額だけで選ぶのではなく、地元の工務店や設計事務所などを幅広く比較して、希望に合った会社を探しましょう。

実際、本体工事の見積もりは最小限に見せておき、さまざまな項目が付帯工事に含まれるというケースが多数存在します。どこまでの金額が見積もりの坪単価に含まれているのか、事前にしっかりと把握したうえで判断をしましょう。


諸費用として追加されるで必要となる可能性のある項目には、

・解体工事

・地盤調査

・補強工事

・造成工事

・引き込み工事

・外溝工事

・エクステリア工事

・インテリア工事

等があります。


これ以外にも、オプション費用が追加されることもあります。オプション料金とは、

・標準仕様よりもグレードが上の設備にする

・天井を高くする

・床暖房を設置する

・収納を増やす

等の際に必要となります。当然初回の見積もりで安価なものを使用していれば、見積もり金額自体は安くなりますが、それだけ高額なオプション料金がかかることになります。

その他、引っ越し費用や家具・家電費用、各種申請費用等もかかることを想定しておきましょう。

2 見積書で特に注意が必要なポイント

前述のように、見積もりにはどこまで含めなければならないという明確な基準はないため、見積もりだけで施工会社を決めることはできません。しかし、まずは見積もりを依頼しないことには次に進みません。ここでは、見積書を確認する際、特に注意が必要なポイントを解説します。

●坪単価には、どこまでが含まれているか

坪単価とは、建物の本体価格を延床面積で割った数値のことで、家を建てるときの金額の目安として参考にされます。坪単価の計算方法は施工会社によってさまざまあり、延床面積か施工面積か、別途工事費や諸経費などをどこまで含んでいるか、等まで詳しく確認しましょう。

●「一式」となっている場合、含まれる詳細内容を確認する

見積書で数量や単位が明確になっておらず、「一式」となっている場合は注意が必要です。どこまでのものが含まれているのか、追加で費用がかかることはないかを確認しましょう。

●単価や数量は正確か

単価や数量を明記している場合は、その数値が正確かどうかを確認する必要があります。壁や床の面積が正確か、単価についても確認しましょう。また、この見積もりは実際に施行が終わった際にも確認できるように残しておく必要があります。仕様が変わっていないにもかかわらず、数値が水増しされる可能性もあるので注意しましょう。

●材料や商品の品番は明記されているか

使用する材料・商品の商品名や品番が明記されているか、確認しましょう。具体的な名称や品番が明記されていない場合、粗悪な材料を使用されてしまうこともあります。不安があれば、実際にサンプルを見せてもらうといいでしょう。

●項目は十分か

確実に必要となる工事内容を見積書には記載せずに、見積書を安く見せかけているケースもあります。項目は十分か確認しましょう。

●工事費内訳まで細かく書かれているか

材料費などは細かく記載されていても、工事費や人件費が一式となっているケースもあります。その場合、メーカー品の設置工事は別費用がかかるなど、追加費用が請求される可能性もあります。工事費内訳まで細かく書かれているか、追加費用の可能性がないか、確認が必要です。

●項目ごとに割引がされているか

多くの会社は、見積書に割引や使用する材料のランクアップ等の特典を付けています。割引の場合、項目ごとに割引がされているかもチェックしたい項目です。一括で割引金額が記載されている場合、それぞれの項目が少しずつ水増しされており、安く見えるように誤魔化されている可能性もあるのです。

このようなことは、一社の見積書を見るだけではわからないこともあります。複数の見積書を比較し、不足している項目や金額の差が大きい項目などを確認するといいでしょう。

その他、別途請求されがちな費用として、

・運搬費

・現場管理費

・仮設費

・クレーム対策費

・警備費

等があります。見積もり以外に別途かかる費用がないか、事前に確認しましょう。

3 建築設計事務所という選択肢も 

注文住宅を建てるとなると、まず思い浮かぶのがハウスメーカー、そして地元の工務店ではないでしょうか。それ以外にも、「建築設計事務所」という選択肢もあります。建築設計事務所とは、建築物の計画立案・設計・設計監理・工事監理等を業務とする事務所です。建築設計事務所は会社によってさまざまな得意分野がありますが、設計から施工までをトータルで任せることができます。

建築設計事務所の特徴としては、設計の段階から一緒になって考えていけるという点があります。建物に対する考え方や計画の状況・予算を伝え、ライフストーリーに合った建物を提案してもらうことができます。そして、提案をもとに設計図を作成し、細かいデザインや見積もりを作成してもらいます。

実際に施工を行うのは工務店ですが、施工の腕を見極め、信頼のおける工務店を選定してもらうことができます。工事が始まった後も、定期的に現場に足を運び、設計図通りに建てられているか、指定通りの構造計算が守られているのか、柱や梁が正しく施工されているかどうか等のチェックを行い、工事の進捗や品質を監理してもらえるので、安心して依頼することができるでしょう。また、建物の竣工後、住み始めて気づいた点も相談窓口となり、対応してもらえるというメリットもあります。

4 表層的な金額に惑わされないで見積もり金額に左右されず建築会社を選ぼう

建築会社によっては、見積もりの段階では安く見せかけ、契約後に付帯工事や諸費用で上乗せをしているというケースもあります。そのため、契約当初より実際の支払額が高くなってしまうことも多いのです。建築会社を選ぶ際には、見積もりの金額だけに左右されず、まずは見積書をしっかりとチェックしましょう。建築会社の実際の施工事例や、それにかかった金額などを聞いてみるのも一つの方法です。事前にしっかりと調べ、後悔のない注文住宅建築をしましょう。

まとめ
弊社arbol(アルボル)は大阪に拠点を置く一級建築士事務所です。設計料も含め、「こんなはずじゃなかった」ということがないよう、初回のお見積りの段階から、誠実に対応をしています。

●アルボルの坪単価は実際に工事する施工床面積を考慮し、一般的な法律でカウントする床面積だけでなく、半外部も内に取り込んで算出しています。

●グレードアップ・オプション料金ができるだけかからないよう、使用する設備・材料を考慮しています。

そのため、初回の見積もり金額は、ハウスメーカー等と比較すると、一見高く見えるかもしれません。しかし、実際に出来上がった建物を見ていただくと、ご満足いただけると確信しています。注文住宅をお考えの方は、ぜひ一度arbolにご相談ください。